春節(チャイニーズニューイヤー)がもう間もなくですね。ここではワインが春節、そして一般的に中国にどのような影響を与えたのかを見ていきたいと思います。
中国やその他のアジアの国々で最も重要な祝日だとされている春節には、家族が集まりお祝いをします。遠く離れて暮らしている家族もこの時ばかりは春節の前日には必ず家に帰ります。
中国文化の家族中心の考え方は今でも根強く残っているため、毎年、春節を家族や友人と祝うために世界各地から家へと帰るその様子は、現代における世界最大の民族大移動と呼べるかもしれません。
春節に行われる行事にとって、お酒はなくてはならないものです
中国には「お酒のない祝賀は祝賀ではない」と言うことわざがあるほど、お祝い事にはお酒は欠かせないものであり、もちろん春節に行われる行事にとってもお酒はなくてはならないものです。春節には家族や旧知の友人が集まり、必ずお酒も振る舞われます。
感謝の気持ちを表すために、お酒をパーティなどで振る舞ったり、親せきや友人へ贈りものにしたりします。つまりり、お酒は春節には欠かせないものになり、最近、中国ではワインを選ぶ人たちが増えてきています。
どうして中国ではワインが好まれるようになってきたのか?
1.ワインを飲むと程よい甘さが口に広がります。このことからワインは幸運の象徴とされています。
中国では伝統を重んじ、食べ物や飲み物まつわる意味を大切にしています。特に同音異義語は重視されています。
例えば、中国語では「魚」と「富」は全く同じ発音なので、年始に出される魚料理は幸運を意味しています。
中国ではワインは末永い幸運を意味します。
同様に、ワインも末永い幸運を意味します。発音に加えて、ワインの甘みのある味わいや赤い色は至福や仕事やプライベートでの幸運を表しています。
2.ワインは健康に良いお酒だと考えられています。
一般的にお酒の飲み過ぎは体に悪いと言われていますが、どうやらワインは少し事情が違うようです。多くのアルコールと違い、ワインには健康に良い効果があると言われています。
ワインにはレスベラトロルと呼ばれる天然の抗酸化物質が含まれており、これが血液粘度やコレステロール値を下げたり、さらには動脈硬化や心臓血管病を防ぐ効果があると言われています。
また、ワインは肌に良いという美容効果もあると言われています。ワインに含まれるフェノールやレスベラトロルによる抗酸化作用が肌を守り更に肌のターンオーバーを促進します。このような美容効果から、ワインは特に女性の間で人気があります。
更に、ワインに含まれるタンニンが腸管の平滑筋繊維の収縮を調整したり結腸機能を維持したりするため、消化にも良いと言われています。
3.ワインは比較的アルコール度数が低いため、より多くの人が楽しめます
中国の伝統あるお酒、白酒(ぱいちゅう)はアルコール含有量が非常に高く、たいてい38%以上です。苦く、のどが焼けるような味わいと飲んだ後に残る胃の不快感などから若者の間ではあまり人気がありません。
年齢層の高い人たちの間では、ビールは味気がない上に通風の原因になると考えられており、更にはトイレが近くなるというデメリットがあると思われています。
しかしながら、ワインは白酒ほどアルコールは強くないけれど、ビールのように味気がないということもなく、手にしたグラスから立ち上る芳醇な香りを楽しみながらおつまみを食べながらほろ酔い気分になれるということで、老若男女問わず幅広い層に好まれています。
4.ワインは上質な暮らしを表すもの
中国では、ワインは上品さと地位を象徴しており、その場の雰囲気や気分を盛り上げてくれるお酒として考えられています。
もちろん家族や友人との集まりには肩ひじを張るような堅苦しさは必要ありませんが、ちょっとした緊張感を添えることで、場の雰囲気が引き締まり、より楽しむことができます。
中国では、ワインは上品さと地位を象徴しており、その場の雰囲気や気分を盛り上げてくれるお酒として考えられています。
2つのワイングラスを合わせると、春節に祝福と幸運をもたらすかのような素敵な音が響きます。そして、中国では、春節にワインを飲むことは上質な暮らしを求める象徴を表し、また、心身ともにリラックスする方法にもなっています。
5.ワインはどんなお食事とも合わせやすいのが特徴です
ワインはお料理の味を引き立て、食事をより一層美味しくします。ワインは種類が非常に豊富で、シーフードや肉料理、極上の西洋料理に伝統的な中華料理など、どんな料理であっても相性の良いワインを見つけることができます。
ワインは料理の脂っこさを洗い流す一方で、料理の香りと調和しお互いを引き立てます。このように春節の家族団らんでは、最高の食事を堪能することができます。
6.ワインは非常に種類豊富なのが特徴的です
ワインほど種類豊富なお酒は他にはないのではないでしょうか。赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインにフォーティファイド・ワインなど、全て異なり独特な風味があります。それぞれのワインにはそれを振る舞うのに適した機会があります。
お酒を必要とするどんな場面であっても、ぴったりのワインを見つけることができます。よく知られているワインであっても、土壌の違い、気候、ブドウの種類、熟成期間、発酵方法、保存環境など様々な要因によって、風味やワインの見た目が違ってきます。
こんなに種類豊富なお酒が他にあるでしょうか?
もうすぐ春節がやってきて、花火が夜空を彩ります。ワインを片手に健康と幸運を祈り、家族や友人と新しい年を迎える以上の過ごし方があるでしょうか?
良いお年を!新年快来!