中国ワイン市場に参入するために必要な中国のアプリトップ6

消費者に興味を持ってもらうために、ワイン市場のプロとして、ありとあらゆる手段を試してきたことと思いますが、ソーシャルメディアはどうでしょう?商品販売を促進するための方法は驚くほどたくさんありますが、ソーシャルメディアのプラットフォームを利用することは非常に効果的で、長年活用できることが分かってきました。一度、ソーシャルメディアプラットフォームの適切な利用法を理解してしまえば、ブランドの評判を確立しながら、迷うことなく売り上げを伸ばすことができるようになるでしょう。

中国では、世界的に人気のあるYouTubeやFacebook、Instagramといったソーシャルメディアを利用することはできませんが、広告を通して商品販売やサービスを促進するために利用できる、同様の役割を果たしてくれる独自のソーシャルメディアが開発されてきました。中国でインターネットを利用して商品を宣伝したいのであれば、この記事はきっと役に立つはずです。

1. WeChat (ウェイシン)

一ヵ月当たりのアクティブユーザー数 (2019年):11憶5100万人
一日当たりのアクティブユーザー数 (2018年):6憶2000万人
一日当たりのアプレットユーザー数 (2019年):3憶人
1ユーザー当たりの一日の平均使用時間 (2018年):85.8分

中国の市場に詳しいのであれば、きっとWeChatというソーシャルメディアを聞いたことがあると思います。WeChatは、テンセントが開発したひとつのプログラムに様々な機能を持たせた「スーパーアプリ」のことで、このひとつのアプリを利用するだけで思いつくほとんどのサービスを受けることができます。メッセージや情報の送受信だけではなく、ゲームやオンラインショッピングをしたり金融サービスを受けたりすることもでき、中国で一番人気があり、幅広く利用されているソーシャルメディアプラットフォームです。

WeChatのオフィシャルアカウントを使うと、消費者とのやり取りを円滑に行える

WeChatでは、個人アカウントの他に企業がオフィシャルアカウントを作ることができます。企業はオフィシャルアカウントを運営し、WeChatの利用者と一対一のやり取りを行うことができます。中国の企業はこの機能を利用しており、多くの会社が自社のオフィシャルウェブサイトを手放しました。その代わりに、WeChatのオフィシャルアカウントを常に改善、更新することに全力を傾けています。私たちCellar & Friendsを含め、多くの有名なワインブランドはこのプラットフォームにオフィシャルアカウントを持っています。

セラー・アジアのWeChatのインターフェイス

アプレット(applet)を使えば、利用者が買い物をするのがもっと便利になる

近年、WeChatはアプレットのサービスも取り入れました。2018年と比較すると、2019年のアプレットの利用者はほぼ2倍の98%増となりました。

この機能を利用するためにアプリをダウンロードする必要がないので、内部記憶装置のストレージをあまり消費しないというのが、アプレットの最大の魅力です。例えばWeChatにアプレットをダウンロードすれば、ラベルをスキャンするだけでワインの製造地域、醸造年、基準価格を調べることができます。更に、タオバオ(Taobao)やジンドン(Jing Dong)のアプリをダウンロードせずに、WecChat内でアプレットを使い直接ワインを購入することができます。

WeChatのアプレット内でワインラベルをスキャンする時のディスプレイです

忘れずにWeChatで人気のあるQRコードを利用しよう

中国では、WeChatのQRコードはとても幅広く利用されています。中国の消費者に合わせて、多くのワインブランドは小さなQRコードに複雑な商品情報を詰め込み、消費者はWeChatを開いてQRコードを読み込むだけで、そのワインに関する必要な情報を全て知ることができるようにしています。

WeChatでこのQRコードを読み込んで、セラー・アジアのオフィシャルアカウントをフォローするのをお忘れなく!

2. Sina Weibo (シナ・ウェイボー)

一ヵ月当たりのアクティブユーザー数 (2019年):5憶1600万人
一日当たりのアクティブユーザー数 (2019年):2憶2200万人

シナ・ウェイボー(ウェイボー)では利用者は文章やイメージ、動画を投稿することができ、中国版のTwitterだと言われています。更に、利用者は興味のある人やトピックのラベルをフォローし、ブロガーや様々なトピックの最新情報を簡単に取得することもできます。

若い世代の消費者に向けてウェイボーを利用しよう

ウェイボーの利用者の大半は、若い世代、特に主要都市に住んでいる若い世代の人達です。上海アイリサーチコンサルティングが発表したウェイボーのユーザーデータでは、35歳以下の利用者が全体の80%にも上るとされました。

ウェイボーのオフィシャルアカウントには様々な機能があり、企業のウェブサイトの代わりにさえなり得る

個人アカウントとは違い、企業や団体、行政組織や有名人がウェイボーで投稿をしたり、消費者やファン、フォロワーとやり取りをするためのアカウントを取得するには、必要な情報の提供や本人確認を行わなくてはいけません。個人アカウントと比べて、ビジネス用アカウントには特別な機能があり、企業はページのカスタマイズやデータ分析、顧客管理などを行うことができます。

今ではほぼ30万の企業がウェイボーのアカウントを取得しています。中国でブランドイメージを確立するためにはウェイボーとWeChatが最も重要な要素となってきているため、多くの企業はオフィシャルウェブサイトの代わりにこれらのアカウントを有効に利用しています。

ウェイボーにおけるセラー・アジア&フレンドのオフィシャルアカウント:このQRコードをスキャンしてフォローしてくださいね!

WeChatよりもウェイボーを利用して宣伝する利点

ウェイボーのトレンド検索やトピックのリストにより、利用者は素早く豊富なコンテンツの洗濯やディスカッションに辿り着くことができます。そのディスカッションを通して、利用者は競争において優位に立つことができます。更に、WeChatのように投稿数の制限がなく、企業や有名人、インフルエンサーは一日に何回も宣伝活動をすることができるため、大いにブランドや商品の注目度を高めることができます。

ウェイボーのトピックで“ワイン”を検索してみると、たくさんの検索結果が出てきます。最も人気のあるトピックには16万2千もの投稿があり、2憶3000万回も視聴されました。

販売業者にとって非常に便利なもうひとつの特徴はウェイボーのディスプレイウィンドウで、誰でも(一般の利用者でも)追加の登録などすることなく、ウェイボーのプラットフォーム内で商品を購入することができることです。ウェイボーはすでに多くの電子商取引プラットフォーム(タオバオやVipshopなど)と業務提携をしており、直接消費者とつながるためにウェイボーのディスプレイウィンドウ内にプラットフォームの承認されたリンクを貼っています。この機能は、ロレアルなど多くの国際的な企業やインフルエンサーが利用しています。

3. Xiaohongshu (小紅書)

登録ユーザー数 (2019年):2憶5000万人
一ヵ月当たりのアクティブユーザー数 (2019年):8500万人
一日当たりのアクティブユーザー数、ピーク時 (2018年):2500万人

女性消費者に向けて、Xiaohongshuを利用しよう

Xiaohongshuの利用者は女性が大半を占めており、男性利用者はたったの12.76%です。プラットフォームの運営やマーケティングは全て女性利用者を中心に作られています。

消費者の分布に関しては、高級志向の消費者がXiaohongshuの利用者の大半を占めています。当初、Xiaohongshuは海外市場や購買の体験をシェアするプラットフォームで、その頃に高級品や贅沢なライフスタイルを求める高級志向の消費者が集まりました。

Xiaohongshu上の広告では、インフルエンサーや有名人が重要な鍵を握っている

多くの有名人がXiaohongshuのプラットフォームを利用しており、使用している商品や行ったことのあるレストラン、美味しいワインなどを紹介しています。ひとたび有名人がおすすめすると、ファンたちはこぞって同じものを入手したり、レストランに詰めかけたりします。

有名人の他にも多くのインフルエンサーがXiaohongshuを使用しており、何百万人ものフォロワーがいて、非常に大きい影響力をもっています。

利用者がXiaohongshuならではだと思う機能とは?

Xiaohongshuでは、利用者はウェイボーやWeChatなどを通して投稿をシェアすることができます(中国の多くのインターネットのプラットフォームでは外部リンクを利用することは、推奨されておらず、滅多に使用することはできません)。

投稿をシェアしたりコメントしたりする以外にも、Xiaohongshuでは閲覧履歴や検索履歴を利用して各利用者に合わせてホーム画面を作っています。こうすることで、利用者は興味のあるコンテンツに集中することができ、必要のない情報は排除することができます。

更に、“Nearby”機能では利用者の現在地に基づいて人気のあるトピックを表示し、“Following”機能では利用者が登録しているアカウントの最新の投稿のみを表示させることができます。

Xiaohongshuとワイン市場の関係

どんなブランドであっても、若い女性の消費者層をターゲットにしているのであれば、Xiaohongshuは非常におすすめです。現在Xiaohongshuでワインを検索すると、計50000万もの関連投稿や1000もの商品が見つかります。この投稿の多くはワインの専門家や洗練された暮らしを求める都会志向の女性によって書かれています。そして、Xiaohongshuのプラットフォームでは「女性向けのワイン」についての多くの議論が行われています。

4. タオバオ (Taobao)

一ヵ月当たりのアクティブユーザー数:8億人
タオバオライブ視聴者数:69憶2500万人(2019年11月、12月)
タオバオ一日当たりの平均放送回数:6万
一回の放送における平均視聴者数:2161(2019年11月、12月)

タオバオライブって何?

一つのプラットフォーム内で視聴しながら同時に買い物もできるタオバオライブは、タバオバージョンのテレビショッピングです。タオバオのアプリを開けば、ライブストリームや動画が流れ、利用者の購買意欲をそそります。

タオバオライブを通しての購入が急速に伸びている

タオバオライブが公表したデータによると、2018年のタオバオライブでの売り上げは1000億元を越えており、前年比成長率は400%ほどでした。2019年の独身者の日(11月11日)には、2018年と比べると15倍にもなる約10万件ものインフルエンサーによる商品のライブストリームが行われ、更に、1万7千以上のブランドもライブストリームに参加し、宣伝活動を行いました。2019年の独身者の日にタオバオライブストリームでの取引は200億元にも上りました。約50%の業者がライブストリームを行い、売り上げが増加しました。

中国初のワインビデオブロガーとして知られる@LadyPenguinは、2019年の独身者の日に、自身のTmallの店舗で約1億元もの売上があり、そのほとんどがタオバオライブストリーミングによるものだったとウェイボーで報告しています。

5-6. TikTok, 快手(Kuaishou)

TikTokの月間マンスリーアクティブユーザー数:4億8600万人 (2019年上半期)
快手の月間マンスリーアクティブユーザー数:3億4100万人 (2019年上半期)

ショートビデオはソーシャルメディアの新たな形として非常に人気があり、利用者は日に日に増えています。2017年4月から2019年4月にかけて、ショートビデオアプリの日々の利用時間の合計は1億時間から6億時間へうなぎ上りに増加しました。TikTokと快手はこのスタイルのアプリの二大巨頭で、利用者数、利用時間数の増加を牽引してきました。

ショートビデオのプラットホームの典型的な利用方法

TikTokや快手では、利用者は思いつくほとんどのトピックについて動画を作りシェアすることができます。更に、この2つのアプリでは、フィルターやBGMなど様々な機能を利用することが可能で、利用者はプロが作ったような動画を作ることができるので、独自のコンテンツを作り、更にプラットフォームで活動することができます。

利用者は、プラットフォームで作成されたリストから動画を選んで視聴することもできます。一つの動画はだいたい15秒ほどなので、あまり時間をかけずに動画視聴を行うことができます。好みに合わない動画があった場合でも、たいていの利用者はスワイプして次の動画に移るだけで、アプリを完全に閉じることはありません。

更に、多くのショートビデオプラットフォームに搭載されているオートプレイ機能により、利用者の“中毒性”が高まります。一つの動画が終了しても、利用者が何もせずに次の動画が自動で再生されます。

快手におけるワイン業界のインフルエンサー、@葡萄酒老韩

ブランドのショートビデオをどうのように“拡散”させるか

ショートビデオを活用することで、ブランドは興味をひくような、ユニークで巧みに造られたビデオを作り商品を宣伝することができ、さらに商品の特徴も十分に見せることができます。このような宣伝方法は、様々な方法の中でも特に注目を浴びており、信じられないような結果をもたらしてくれます。

中国で企業し、今では世界中で人気のある会社、HaiDiLao HotpotはTikTokや快手のショートビデオを利用して新しい火鍋の食べ方を紹介し、この動画はインターネット上ですぐさま拡散されました。消費者はHaiDiLaoの店舗へ駆け込み、TikTokや快手で見た火鍋の食べ方を真似したり、独自の食べ方を撮影して投稿し、拡散の連鎖を起こしました。

食事をするという活動にエンターテイメント性を加えることで、飲食業界に大きな利益をもたらしました。HaiDiLaoはとても幸運だったと言えますが、これからもその恩恵を受ける店が出てくるでしょう。このようなブームは常にあるので、新たに参入してきたブランドや企業にも成長の機会は大いにあると言えます。

ショートビデオのプラットフォームを利用することで消費者に影響を与えるだけではなく、簡単に買い物をする方法が提供できる

2018年3月にTikTokの親会社であるバイトダンスがアリババ株式会社と共同パートナーシップを結んだことにより、何百万ものファンをもつ“インフルエンサー”は、自身のプロファイルにショッピングカートのアイコンを追加することができるようになりました。ショッピングカートのアイコンをクリックするだけで、利用者はTikTokを閉じることなくタオバオやTmallで買い物をすることができます。TikTokのプラットフォーム上で宣伝や売買を行うと、ブランドやインフルエンサーにとってシームレスな体験を作り上げることができます。

主に電子商取引を取り扱っているコンサルティング会社、ワンキン・ビジネス・コンサルタント社のCEOル・ジェンワン氏は、この種類のアプリに関して次のように述べています。「ショートビデオは15秒の動画を提供することで、主にモバイルユーザーの注目を集めることができます。電子商取引や若い世代の消費者層や比較的小さい都市に住んでいる消費者層を捕まえたいと思っているブランドにとっては強い味方になるはずです。」

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