韓国のワイン市場と市場の傾向を垣間見る

この50年間で、韓国のワイン市場は大きく成長してきました。ソジュなどの韓国の伝統的なお酒に比べてワイン市場は非常に勢いがありますが、それでもまだ足踏みをしているように見受けられます。この韓国のワイン市場は現在、変化しつつあるのでしょうか?

韓国におけるワイン消費

アジアにおける他の成熟したワイン市場と比べて、韓国の市場は常に成長し続けています。ユーロモニターでは、韓国人の日常生活にとってお酒はなくてはならないものであり、ロシア人同様、強いお酒を飲むことで知られていると紹介されています。さらに、韓国は現在、一人当たりのアルコール消費量が世界一の水準です。

韓国は、一人当たりのアルコール摂取量が世界一の水準の国です

韓国で最も好まれているのは、サツマイモやタピオカ、穀物などを混ぜ合わせて造られるソジュというお酒です。韓国のお酒の席では様々な習慣や決まりがありますが、ワインと食事の組み合わせに関しても厳しい決まりがあります。これらは、これからの韓国のワイン市場にとって有益なことだと言えます。2019年のワイン市場の売り上げは16憶7100万USドルに上りました。

ワイン市場における総収入

Source: Statista

それほど多くの熱烈なワイン愛好家いませんが、ワインの人気はうなぎ上りで、2018年の売り上げは20%も増加しました。

2019年における一人当たりの平均消費量は1.1リットルでした。

一人当たりの平均量

Source: Statista

好まれるワイン

2019年に韓国に輸入されたワインは、赤ワインが55%、白ワインが18%、スパークリングワインが27%でした。

2019年のスティルワインの売上が15億3800万USドルなのに対して、スパークリングワインの売上が1億800万USドルで、5.3%の年間成長率が見込まれています(2019-2023年までの複合年間成長率)。

フォーティファイド・ワインの2019年の売り上げは2600万USドルで、6.2%の年間成長率が見込まれています(2019-2023年までの複合年間成長率)。

若い世代のワイン消費者は海外旅行に積極的で、白ワインやスパークリングワイン、デザートワインなど様々なワインに挑戦しています。そして、韓国のワイン市場における消費者の需要は徐々に多様化してきています。

以前は、赤ワインの健康効果が大々的に宣伝されていたこともあり、輸入ワインの63.1%が赤ワインでした。韓国のワイン市場は20~30代の若い世代が中心となっていて、その大半を占めているのが女性です。この年齢層によるワインの購買は130%もの成長を見せ、特に白ワインとハーフボトルがと中心になっています。

韓国ではワインは食事とともに楽しむものという考えが定着してきていて、その結果、白ワインやスパークリングワインの需要が増えてきています。

スパークリングワインは近年最も需要が増加してきていて、2018年には総輸入量の18.2%を占めるまでになりました(2008年の時点では総輸入量の5.5%)。

Source: Korea Trade Information Service Database (KOTIS)

様々な世界各地のワインの売れ行きは?

韓国のワイン市場では、フランス産やチリ産のワインが長年その大半を占めてきましたが、このような状況は急速に変化してきています。

チリ産のワインは未だに成長を続けています。2018年には、チリ産のワインの総輸入額は4650万ドル(1100万キログラム)で、2017年と比べて13.9%成長しています(量にして17.3%増加)。韓国では、チリ産のワインは非常にコスパが良いとされています。

2018年のイタリア産ワインの総輸入額は3460万ドル(570万キログラム)で、2017年より15.4%程増えています(量にして13.0%増加)。イタリアは旅行先として人気が高くイタリアンも韓国ではとても好かれているため、イタリア産のワインはよく知られており、評価も高いです。これから数年の間で、スパークリングワインの需要が増えることが見込まれています。

スペインからのワインの輸入額は、2018年は2000万ドル(790万キログラム)に上り、2017年と比較すると22.2%の増加傾向にあります(量にして1.9%増加)。

スペイン産のワインの多くはバルクで輸入され、韓国でボトル詰めされます。

2018年のオーストラリア産のワインの輸入額は1300万ドル(270万キログラム)に達し、2017年と比べると5.5%増えています(量にして18.8%増加)。

アルゼンチンやニュージーランドからは特に白ワインと赤ワインの輸入が増えています。

アメリカからのワインの輸入は2018年には3040万ドルに上り、その前年と比べると22.8%増加したことになります。総輸入量は340万キログラムと10.4%増加しています。

最も輸入量が多いのはチリで全体の30%を占めており、フランスが16.5%、スペインが16.36%、イタリアが15.87%、そしてアメリカが7%と続きます。

韓国ではフランスやイタリアに代表されるようなオールドワールドのワインがニューワールドワインと比べて上質なワインだという認識があるので、フランスは韓国への主なワイン輸出国として常に上位に位置しています。2018年におけるフランスからのワインの総輸入量は7950万ドルに上り(550万キログラム)前年と比較して15.8%増加しています(量にして18.1%増加)。

輸出国別にみるワインの輸入(価格、2018年)

Source: Korea Trade Information Service Database (KOTIS)

韓国に輸入されるワインの一リットル当たりの価格

2018年には、韓国に輸入されたワインの総輸入価格は過去最高の2億4400万ドルを記録し、前年の2017年と比べると15.8%増加しています。輸入量では、フランスが一番多く32%、続いてチリが20%、イタリアが15%、アメリカが13%、そしてスペインが8%となっています。

過去3年間で韓国におけるワインの輸入量は毎年8.8%増加しており、この傾向はまだ続きそうです。2018年には、ワインの総輸入量は4030万キログラム(前年度比11.5%増)を記録しています。

ユニット毎の価格

Source: Statista

韓国のワイン輸入についての統計資料(2018)

カテゴリースパークリングワイン赤ワイン(ボトル)赤ワイン(バルク)白ワイン(ボトル)白ワイン(バルク)その他(ボトル)その他(バルク)総計
価格価格価格価格価格価格価格価格
フランス28,596944,83439,9243,743,0661593578,785698,4051521,20096,83383912,16879,5045,495,715
チリ41880,66639,7958,835,620349240,1055,2351,571,848366240,00011719,32491,11346,28910,988,676
Italy7,8461,646,05019,2622,385,51521264,0546,9461,527,87910538,47521333,948594,75734,6435,700,678
アメリカからの輸入51495,27424,5842,479,42514474,4634,357577,295190120,68534215,54826813,01730,3993,375,707
スペイン2,826819,79112,7333,593,0949941,018,1421,664636,4219851,804,68125435,052333,56719,4897,910,748
オーストラリア52491,5059,5221,746,519667369,0672,039428,94821851439,460857,91712,9822,653,601
その他3,5971,425,7758,0761,526,76916177,4336,9801,022,94357540,79555359,66575212,99620,6944,166,376
合計44,3215,103,895153,89624,310,0082,6861,843,62136,0066,463,7392,2242,244,8732,822269,8302,04555,535244,00040,291,501

Source: Korea Trade Information Service Database (KOTIS)
ユニット:価格1,000USドル/量キログラム

国別の比較-売り上げ

Top 5
アメリカからの輸入US$49,570m
フランスUS$28,135m
中国US$26,834m
イタリアUS$26,619m
イギリスUS$24,440m
韓国US$1,671m

Source: Statista

韓国における各国からのワインの輸入

Source: Korea Trade Information Service Database (KOTIS)
*注:CIFとは、韓国の通関港までの保険料および運賃を含む輸出価格のことです。

ワインはどのように流通しているのか?

韓国は他のアジアのワイン市場と比べると少し違っていて、輸入されたワインのほとんどがオフ・トレード市場(家庭での消費)で流通しています。家庭でお酒を飲むことが好まれており、オン・トレード市場(レストランやバーなどの飲食店の消費)での売り上げは落ち込む一方です(現在4億2000万ドル)。この傾向は、韓国の習慣的な要因に加え、ワインが比較的高価なことと不況が原因であると思われます。

韓国ではワインは高級品とされており、高級なバーやレストランでの飲食は富裕層には問題はないのですが、多くの韓国人はコストコやE-martでワインを購入します。

広い購買層でワインに関する知識が浸透してきているので、オン・トレード市場におけるさらなるワイン消費の機会が増えるのではと予測されています

広い購買層でワインに関する知識が浸透してきているので、オン・トレード市場におけるさらなるワイン消費の機会が増えるのではと予測されています。さらに、数年の間に中間所得層の消費者による低価格帯から中価格帯のワインの購買の大幅な成長も見込まれています。しかし、現時点では手頃な価格のワインがオン・トレード市場に出回っておらず、多くの消費者は家庭でのワインを楽しんでいるというのが現状です。

そして海外旅行などの経験から、国外と比べて韓国国内のオン・トレード市場においてワインが非常に高額に設定されているのに気付いている消費者が多くいます。このことから、オフ・トレード市場においてより適正な価格のワインを常に見つけようとしているのです。

家庭外で消費されるワインによる収益

Source: Statista

近年の韓国ワイン市場の傾向とこれから

韓国人は常に変化を求めていて、「妻子以外は変えなさい」ということわざまであるほどです。これは、韓国のワイン市場に期待が持てるということを意味しています。

ワイン輸入業者は消費者のワインに関する知識を広げ、様々な種類のワインへの理解を促すよう力を入れていくべきでしょう。そうなれば、より一層海外のワインへの興味が増していきます。

韓国ではワインは高級品とされていて、ビールやソジュといった他のお酒と比べると高い価格で販売されています

韓国ではワインは高級品とされていて、ビールやソジュといった他のお酒と比べると高い価格で販売されています。しかし、価格競争のおかげで輸入業者や販売業者は手頃な価格での販売をせざるおえません。もしワインへの関税が変われば、販売価格が手ごろになると思われます。

ワインモニターによる韓国の動向の調査によると、ワインへの関心が増すにつれて、韓国人のワインに対するこれまでの保守的な考えが徐々に変化し、様々なワインを試すようになってきていると言います。

健康志向の人達は、ソジュのような強いお酒に代わるアルコール度数が低めのお酒を求めており、この傾向はワイン市場においては追い風になると思われます。

2016年7月以来、韓国は多くのワイン製造国と自由貿易協定を結び、お酒の輸入には関税がかからないようになりました。これにより、海外からのお酒の輸入に関税のかかるアジア太平洋の近隣諸国よりも韓国にワインを輸出するメリットが生まれました。

Proweinは、韓国を2021年までの三大新興市場のひとつとして挙げています。韓国ではワインはまだ主流とは言えませんが、これからの成長が期待されています。健康への関心が高まる中、ワインやビールといったアルコール度数の低いお酒の需要が高まっていくと思われます。

現在成長を続ける韓国のワイン市場は、アジア太平洋諸国の中で最も魅力的な市場として新たな注目を集めており、毎年拡大し続けています。

Sources:

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