台湾ワイン市場を垣間見る

この小さな島国、台湾は本当に素晴らしいところです。中国の東180キロメートルのところに位置し、人口およそ2300万人の台湾は、ワイン市場にとって重要な場所であり現在急成長を続けています。台湾は、アジアにおけるワイン市場トップ5のひとつで、ユーロモニターはこれから数年の間、台湾のワイン消費量は順調に増加し2021年には2500万リットルを超えると予測しています。

1990年代にワインを嗜むことは裕福なビジネスマンの象徴であるとされて以来、台湾のワイン市場は急速に発展してきました。現在、台湾のワイン愛好家たちはオールドワールドのワインや高価なワインだけではなく、様々な種類のワインを積極的に探し求めています。

台湾におけるワインの消費

現在の台湾ワイン市場は、若い女性消費者によって発展してきています。そして、過去7年間でワイン消費は8.5%も増加しました。

台湾では、通常、ワインは食事と一緒に飲まれます。レストランでワインを飲むことが流行っており、一般的に最も受け入れられているワイン消費方法でもあります。

台湾のワイン市場は、ワインへの関心の高まりと、WGT台北ワイン展、台北ワイン・スピリットフェスティバル、台中インターナショナル・ワイン展など地元で行われるイベントなどによって恩恵を受けています。このようなイベントを通じて、ワイン愛好家たちは新たなワインやユニークなブドウの品種、世界中で現在急成長をしているワインの産地などを知ることができます。

台湾パブリック・オピニオン・ファンデーション(TPOF)が最近行った調査で、成人した台湾人の54%が時々飲酒すると回答し、そのうちワインを選んだのは30.8%、依然として人気のあるビールを選んだのは30.6%、蒸留酒は少し人気が下がり29.4%という結果になったと報告がありました。調査対象となった45.8%の人は飲酒は一切しないと回答し、0.2%の人は回答を拒否しました。

スタティスティカのデータによると、台湾は依然としてワイン消費量が比較的少ない国(スピリットやビールなどと比較して)のひとつです。

一人当たりのワイン消費量, アジア市場, リットル/年

下記の中で、どの飲み物を定期的に消費しましますか?

Source: Statista

台湾の市場規模

2300万人以上の人口をほこる台湾は、アジアにおける有力なワイン市場のひとつです。2010年以来、台湾のワイン消費量は毎年8.6%増加し、2018年にはワインとスピリットの輸入金額は8億8500万USドルに達しました。これは、2017年と比較して2%増です。

台湾におけるワインの年間輸入金額

ワインの嗜好傾向

台湾では、特にスティルワインが好まれます。

一時、赤ワインが市場占有率80%以上を占めていました。ボルドー、カベルネ・ソーヴィニョン、シラーなどの力強いワインは未だに人気がありますが、若い人達は白ワインを好む傾向にあるため、最近、赤ワインの人気に少し陰りが見え始めました。現在の白ワインの市場占有率は10%程度です。シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、リースリングなどの白ワインが特に人気があります。軽めのスパークリングワインも急速に人気が出てきています。

世界的に有名なトカイワインなどのスウィートワインも人気があります。これは、新たなワイン市場ではよくみられる傾向です。ロゼワインはこれから伸びしろのある分野で、白ワインとロゼワインは、35歳以下の若い世代に特に人気があります。

ニューワールドのワインと比較して、オールドワールドのワインの売上は?

台湾では、依然としてヨーロッパワインは品質が高く良いものだとして人気があります。イタリアワイン、スペインワイン、フランスワインは確かな人気があり、特にバーガンディー、ボルドー、コート・デュ・ローヌやシャンパンの人気が高いです。

チリワインとアルゼンチンワインが最も多く消費されています。若い世代では、チリ、アルゼンチン、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカなどのニューワールドのワインへと消費傾向が大きく移り変わってきました。

ヨーロッパワインが市場にとって重要であることは変わりませんが、経済後退により、小売店が販売に力を入れていることも手伝い、価格の低いニューワールドワインの売上が伸びています。

台湾に輸出されるワインの1リットル当たりの金額は?

値段の張る高級ワインの分野では、依然としてフランスワインの独占状態が続いています。ボルドーやブルゴーニュのフランスワインは、富裕層の消費者からの根強い需要があります。

1リットル当たりの平均価格は、フランスワインが12.13USドル、続いてアメリカワインが11.27USドルです。イタリアワインは7.32USドル、オーストラリアワインが5.35USドル、そしてチリワインが4.21USドルです。

ワインはどのように流通しているのか?

台湾では、インターネット上でのアルコール飲料の売り買いは法律上禁じられています。貴重なヴィンテージワインは、消費者と直接売買するのが普通です。また、低価格のワインは、小売店やスーパーマーケット、レストランなどで売られています。

コストコやカルフール、RTマートでは、様々な輸入ワインが低価格で売られています。また、よりお酒に詳しい人達に向けた酒販チェーンなども存在しますが、顧客満足度ではなく、利益重視で商品を薦めることが多いようです。

台湾では20-40代(特に女性)の消費者の間ではBYO(自分で持ち込む)という文化が根付いており、たいていワインはオフプレミス(店外)で購入し、オンプレミス(レストランなど)で消費されることが多いです。若い世代の顧客が多いレストランでは、その値段の安さからニューワールドからのワインの人気が高まってきています。

台湾ワイン市場の現在の問題点は?

ワインの消費傾向は、マスコミ、ソーシャルメディア、デカンターやワイン・スペクテーターといったワインの情報誌からの大きな影響を受けています。非常に人気のあるワインをテーマにした漫画『神の雫』は台湾のワイン消費に大きな影響を与えました。この漫画のファンは、漫画に出てきたヴィンテージワインを求めたり、漫画に登場するヨーロッパのワイナリーまでわざわざ旅行に行ったりもします。

“台湾人口の半数が、アルコールを代謝するために必要な遺伝子が欠乏している”

スタンフォード大学にある研究施設は、台湾人口の約半数がアルコールを代謝するために必要な遺伝子が欠乏していることを突き止めました。この遺伝子の欠乏はアジアでは珍しくなく、中国人口の35%、日本人口の30%、そして韓国人口の20%は、この遺伝子を持ち合わせていないと言います。この遺伝子の欠乏は、台湾でのワインの売上に影響を与えています。

赤ワインが心臓に良いと言われ、売上が非常に伸びたことがありましたが、スタンフォード大学の研究によると、この遺伝子の欠乏が見られる場合には話が変わってくると言います。遺伝子が欠乏している場合、顔面紅潮や呼吸障害、そしてガンの危険性が増す恐れがあると言います。

最近、台湾で販売されているワインの品質に関するスキャンダルが多発し、消費者はなるべく化学成分を含まないワインを購入するように注意をしています。つまり、ワイン市場では評価は非常に重要で、受賞歴のあるワインやワイナリーのものが最も人気があります。

台湾のアルコール飲料の総売上

ワイン・インテリジェンスのグローバル・コンパス2017-2018レポートによると、現在の台湾における一人当たりのワインの消費量は1リットルで、これは中国や韓国に匹敵する消費量だそうです。そこで、台湾のワイン消費ステータスが「新興市場」から「成長市場」へと変更になりました。

台湾は、新しいけれども急速な成長を見せるワイン市場で、大いに注目をされています。20年程の間に、台湾のワイン市場は順調に発展してきました。現在の市場は、ワインの知識やテイスティングスキルを高めようとしている多くのワイン愛好家によって支えられています。依然として赤ワインが市場の大半を占めていますが、白ワインやスパークリングワインも徐々に、そして特に35歳以下の消費者の間で認知されてきています。

Guide to the Taiwanese Wine Tradeの著者、デブラ・マイバーグ氏は、台湾のワイン市場は非常にユニークで力強く、熱意があり…台湾の人々はとても大らかでゆったりしていて付き合いやすいので、ぜひ台湾ワイン市場をおすすめすると締めくくっています。

Sources:

モバイルバージョンを終了