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ボルドー地方のシャトーはどのようにワインの信頼性を保証しているのか?

偽物のワイン、つまり、質の低いワインが高価なブランドのワインとして売られているというのは、今に始まったことではありません。評判の悪いワイン業者が質の低いワインを高額な値段で販売するというのは、よくあることです。

近年、ワインの偽装技術は非常に巧妙で、特に専門家でなければ偽物を見分けるのは非常に困難です。

有名なワインのブランドの需要が伸びてきていることもあり、偽物のワインの多くはアジア、それも特に中国で製造、販売されています。ボルドーワイン、その中でも特に第一級のボルドーワインや非常に有名なシャトーの偽物は後を絶ちません。

有名なワインのブランドの需要が伸びてきていることもあり、偽物のワインの多くはアジア、それも特に中国で製造、販売されています。

では、ボルドーワインの生産者はどのように自分たちのブランドが被害にあわないようにしているのでしょうか?消費者に対して購入したワインが本物であるとどのように保障しているのでしょうか?ここでは、実際にワイン市場で使われている最新の偽物対策の技術について見ていくことにしましょう。

見える化する

多くのワイナリーは、ワインのラベルやボトルに特殊加工をすることで偽造対策を行っています。この特殊というのは、

  1. ホログラム
  2. ボトルにレーザーエッチングを施す
  3. ボトルのデザインを毎年変更する
  4. 特殊なインクを使用する
  5. ラベルに希少な紙を使用する
  6. ラベルに見えないイメージやテキストを付加する

このような特殊加工は、技術のある製造者にとっては比較的容易に偽造出来てしまいますが、精巧に作られていない偽物を簡単に見分けるために役立ちます。

トラック・アンド・トレーステクノロジー

ワイン製造者は、より厳密な追跡方法を取り入れ始めました。多くの税関職員、輸入業者、販売業者にはワイン一本一本が本物であるか確認するような時間も技術もありませんので、ワイン製造者は、消費者も含めて、ワインが醸造所を出発してから消費者の手元に届くまで全てを追跡しできるようにしたいと考えました。

  1. シリアルナンバー:一本一本のボトルに個別のシリアルナンバーを割り当てることによって、流通網のどこにあるのか追跡することができます。
  2. ボトルにQRコードを付与する:消費者はスマートフォンなどのアプリでQRコードを読み込み、ワインの生産地に関する情報を取得することができます。QRコードを複製することは簡単ではありません。
  3. コンピューターチップ:ワインボトルなどを運ぶためのケースに追跡のためのチップを埋め込むことで、輸入業者や販売元までのルートを確認することができます。

消費者が追跡情報を使ってワインの生産地と生産者を確認することができるようになると、偽造するのは極めて難しく偽物のワインが出回りづらくなると思われます。この追跡方法は近年出荷されているワインには使用されているのですが、ヴィンテージのワインには問題があります。ボルドーワインは購入後しばらく熟成させるものが多く、ヴィンテージワインの生産地を証明するのは非常に困難です。

不正開封防止

最も普及している偽造方法のひとつは、高級ワインのボトルを集め、そこに新しい低品質のワインを詰めて売却して利益をあげる方法です。

古いボトルを再利用した再販を防止するために、ボトルを開封した時に損なわれるような封や印が使われることもあります。このような印には、特定のボトルと関係のあるコードが使われることもあり、開封時にこのコードも一緒に損なわれるようになっています。

商標登録

ワイン製造者が直面しているもうひとつの大きな問題は、アジアでは地域などの特定の名称が商標登録されていないということです。つまり、アジアのワイン製造者もシャトーのような名称を使用できてしまうのです。非常に紛らわしく、ワイン通ではない消費者を混乱させてしまいます。

そこで、2011年にボルドーワイン協会とバーガンディーワイン協会は、様々な地域特有の名前や製造者名の商標登録を始めました。更に、これらのワイン協会は法的措置を強化し、アジア地域、特に中国の税関職員に対して本物のワインのラベルや地域特有の名前に関するトレーニングも行いました。

代表例:シャトー・マルゴー

ボルドー地方のシャトーはどのようにワインの信頼性を保証しているのか?

シャトー・マルゴーは、ボルドーの第一級シャトーの一つで、1855年に初めて第一級に格付けされました。シャトー・マルゴーは数年間の熟成期間を必要とする高級なボルドーワインなので、アジアにおいてその名前や評判に傷がつかないように偽物に対しては非常に気を使っています。

シャトー・マルゴーを偽造品から守るために、ボトルの製造過程においていくつもの対策が行われています。一本一本のボトルにレーザーエッチングを施し、個別の番号とバーコードを付与します。ボトルを収容するケースにも番号とバーコードが付与され、流通経路を追跡できるようにしています。ラベルや封には特別なインクが使用され、特にラベルの“シャトー・マルゴー”という名前は特殊な印刷加工を施しました。更に、ボトルのデザインは毎年変更されます。

2009年のヴィンテージワインから、ワインボトルにプルーフタグを貼付し更にセキュリティを強化しました。プルーフタグは、コルク栓を覆っているシールとボトルの間に貼付されます。それぞれのタグには複製できないような個別のコードと固有の追跡番号が含まれています。フラッグシップワインであるシャトー・マルゴーの他に、セカンドレーベルであるパヴィヨン・ルージュ、パヴィヨン・ブランにもこのプルーフタグが貼付されています。

そして、これから・・・

この10年、20年で、偽造ワイン対策の技術は大きく進歩してきました。技術の向上に伴い、少しでも偽物が出回ることがなくなっていってほしいと思います。

そして、アジアにおけるワインの知識が広まるにつれて、より簡単に偽物を見分けることができるようになるならば、本物のワインの需要も高まっていくと思われます。

これからも消費者と生産者からの強い要望により、偽造からワインを守る技術は更に向上し、輸入者や販売業者もワインをより厳しく検査する必要に迫られるはずです。ボルドーのワイン生産者や世界中のワイナリーにとっては非常にありがたいことに違いありません。

シーダー

シーダー・ストルテナウはシカゴを拠点とするワインライター、又、コンサルタントであり、テクノロジー業界で短期間働いた後、彼女は、あらゆる食に対しての関心が高かったのでワインに拠点が戻りました。彼女が特に注目しているのは、消費者がワインを買いやすくなることと、あまり知られていない品種に関心を持てるようになることです。シーダーは現在、ワインの小売業で仕事をしているほか、ワインに関する記事を書いたり、小規模生産者のブランド開発に関するコンサルティングを行ったりしています。

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