中国ワイン市場に暗い影を落とすコロナウイルス感染症

中国ワイン市場に暗い影を落とすコロナウイルス感染症

コロナウイルス感染症がさらに拡大し、中国経済への影響が徐々に顕著になってきています。多くの経済学者が、2003年に起こったSARSや米中貿易戦争以上の影響を受ける可能性があると懸念しています。

これまで中国の経済成長に大きな貢献をしてきたアルコール産業ですが、当然のことながら、今回のコロナウイルス感染症によって深刻な影響を受けています。

春節は中国のアルコール産業にとって最も大切な時期で、一年間の総売上の30-35%を占めます

春節は中国のアルコール産業にとって最も大切な時期で、一年間の総売上の30-35%を占めると言われているのですが、コロナウイルス感染症の被害を受けた地域では甚大な影響が見られます。

武漢だけではなく、上海や北京など大都市においてもウイルスのさらなる拡大を抑えるために規制が行われ、多くの人々が出歩かなくなった結果、飲食や小売、贈り物などの需要が激減しました。更に、イベントなども軒並みキャンセルされ、アルコールの需要も減っています。

一時的に小売販路もシャットダウンしており、酒屋やケータリング業者も営業を取りやめ、アルコール業界は現在、通常の流通経路が閉ざされた状態になっています。どのワインブランドも厳しい状況に置かれるのは時間の問題となっています。

ワイン業界は8-15%ほどの利益減少になる見込み

中国ワイン市場に暗い影を落とすコロナウイルス感染症

コロナウイルス感染症の会計年度第一期への影響はすでに現実のものになっており、第二期へも影響するものとみられています。中国China Alcoholic Drinks Associationは、コロナウイルスのアルコール産業への影響を“まるで崖から落ちるようだ”と表現しています。中国の有名な張裕ワイン社はWeixin公式アカウントにおいて、コロナウイルス発生に伴い、既に年間販売目標額を下方修正したことを発表しました。

中国の経営コンサルティング会社、ヘジュン・コンサルティンググループはアルコール産業に特化した部署を持ち合わせており、業界全体として8-15%ほどの利益減少につながるであろうと予想しています。

大規模なイベントは軒並みキャンセル、または延期

コロナウイルス危機が長引いており、予定されていた多くのイベントに変更が行われています。当初2月もしくは3月に予定されていた多くのアルコール業界のイベントは、現在、延期またはキャンセルされています。既に告知されているものとして、第102回中国飲食フェア(China Food and Drinks Fair)は3月26-28日に開催予定でしたが、現在延期が決まっており、新たな開催日やプログラムは決まっていません。

安全面を考慮し、大部分のワイン販売業者がこの延期の措置を支持しています。業界にとって最も大切なことは、展示会などではなく注文を受けることだとしています。

“反動による消費”期間がやってくる

このコロナウイルスの流行によりワイン市場は短期的な損失を被っていますが、世界中が協力してこの危機を乗り越えようとしています。これにより消費者の信頼が回復し、ワイン消費が回復するものと思われます。

いったん危機が去ってしまえば反動による消費が起こり、通常の2-3倍の消費が期待できる

Guanfeng Intelligent Consultingは2003年に流行したSARS以降の消費者データを振り返り、Yonghua Yang会長は、感染症が流行している間は消費者の支出は期待できませんが、流行が去ってしまえば反動が起こり通常の2-3倍の消費が期待できる、とコメントしています。

健康志向のマーケティングに特化する

Yang会長は、感染症の流行の後にくる “景気の良い”期間は抑制からのリバウンドによってもたらされ、消費者のニーズを満たすビジネス、特に健康をターゲットにした市場で売り上げが伸びるだろうと予測しています。

コロナウイルス感染症により中国の消費者は特に健康に気を配るようになり、それに伴いヘルシーなワインやアルコール含有量の低いワイン、つまりヘルシーなイメージのあるブランドの売上の増加が見込まれます。

オンライン市場に投資する機会

さらに、ワイン販売業者のWang氏は、過去と比較して今年の春節前はワインの売上はあまり芳しくなかったと言います。しかしながら春節期間の消費データからは、実際の売り上げは著しく低下しているのですが、オンラインでの販売は増加傾向にあると言っています。

感染症の影響を受けて全体としての売り上げは予想を下回ったのですが、特にオンラインでの販売に力を入れて、今後も様々な販売ルートの開拓を進めていきたいとワン氏は語っています。

オンライン販売のプラットフォームを改良し、新しいインターネット媒体を開設することにより消費者との交流がさらに増えました。インターネットを駆使した経済の近代化の流れによりワイン市場が画期的な発展をとげ、今後6ヵ月の間、低コストで効率の良い流通の始まりの時期になるでしょう。

Vicky

執筆者 ビッキー

ヴィッキーさんは、中国山東省にある小さな沿岸の都市、煙台で生まれ育ちました。煙台は、中国では有名なワインの生産地です。ヴィッキーさんは、修士課程在学中に世界のワイン産業における市場戦略について研究をしているうちに、大のワイン好きになりました。旅行と美味しいものを食べるのが大好きで、夢は各地の最高のワインを味わいながら世界中を旅行することだそうです。

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